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『ジュピターズ・レガシー』のタイトルの意味が判明

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https://twitter.com/JupiterLegacy/status/1390563097446916098

Netflixのスーパーヒーロードラマ『ジュピターズ・レガシー』にはジュピター(Jupiter)という名前のキャラクターは登場しないが、このタイトルが意味するものとはなんなのだろうか。

 

同作は「遺産」をテーマにしており、タイトルはローマ神話へのオマージュだという。

ドラマ『ジュピターズ・レガシー』は、マーク・ミラーとフランク・クイトリーの同名コミックを原作としており、ジョシュ・デュアメルがスーパーヒーロー「ユートピアン」ことシェルドン・サンプソンを演じている。理想主義の彼は、およそ1世紀にわたって、スーパーパワーを駆使して犯罪と戦ってきた。しかしながら、シェルドンの厳格な育児スタイルと高い期待は、クロエ(エレナ・カンプリス)とブランドン(アンドリュー・ホートン)の2人の子どもたちに悪影響を与えてしまう。同作は、父と子の関係がひとつの大きな見どころとなっている。

 

ローマ神話において、ジュピターは父であるサターンを倒し、神々の王となった。これは、サターンが自分の子供たちがいつか自分を倒すことを恐れ、ネプチューン、ジュノー、プルートといったわが子を食べ始めたことへの復讐だった。ジュピターに敗れたサターンは、食べた子供たちを吐き出し、ジュピターはローマのパンテオン(神々の集合体)を組織した。

『ジュピターズ・レガシー』では、シェルダンの白い髭と髪はジュピターを連想させ、ヒーローチーム「ジャスティス・ユニオン」の他のスーパーヒーローたちはローマのパンテオンのように描かれている。


さて、『ジュピターズ・レガシー』のタイトルは、スーパーヒーローが現代の神々であり、その中でユートピアンが王であるということを想起させている。ジュピターがサターンを倒したことを考慮して、このタイトルには、父親に逆らう子供というテーマも含まれており、原作コミックの内容にも合致してる。2013年にCBRの取材に応じたミラーは、『ジュピターズ・レガシー』というタイトルを選んだ理由を次のように語っていた。

「私は、より神話的なものを作るというアイデアが好きです。何か巨大なものの一部であるように感じられるもの。ストーリー的にはある程度神話に触れていますが、そのアイデアを可能な限り現代風にアレンジして、古典的なテーマや非常に古いストーリー構造を現代的なイメージと融合させようとしています。スーパーヒーローもののストーリーは、よくある構造になりがちですが、この作品では、非常に壮大でオペラ的な一連の流れを表現し、ワーグナー的なエスカレーションの感覚を得させたいと思いました。この作品には『ハムレット』の要素がたくさんあります。父と息子の関係が描かれています」

『ジュピターズ・レガシー』に登場する子世代の若いスーパーヒーローたちは、両親から力を受け継いでおり、ヒーローの葛藤を描くと同時に家族の問題も扱っている。“レガシー”という言葉にはポジティブなイメージがあるが、この作品では、神のごとき力を備えているスーパーヒーローを父に持つことの意味を、ネガティブな側面も含めて問いかけている。