動画配信サービスDisney+のドラマシリーズ『ファルコン&ウィンターソルジャー』が完結し、サム・ウィルソン（アンソニー・マッキー）がキャプテン・アメリカの称号を得るまでの道のりが描かれた。この作品に対する視聴者からの反応は良好だったが、一方で「ファンが望んでいたことのすべてが明かされたわけではない」という声も挙がった。
事実、キャプテン・アメリカシリーズに関する、とある大きな謎が未解決のままになっている。それはずばり、初代キャプテン・アメリカであるスティーブ・ロジャース（クリス・エヴァンス）がどこにいるのかということだ。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』のエピローグでキャップが引退した後、スティーブに何が起こったのか。ファルコン&ウィンターソルジャーの作中、登場人物たちがサムから聞き出そうとするシーンがあった。「スティーブ・ロジャースは月に住んでいる」なんていう説も飛び出し、サムはそのゴシップネタを笑い飛ばした。同作のクライマックスでサムがキャプテン・アメリカを名乗った際にも、その場に居合わせた人物が「月にいると思っていた」と反応する一幕もあったが、終始「スティーブは本当はどこにいるのか」「何をしているのか」が明かされることはなかった。
それでは、スティーブの所在についてどのような選択肢が考えられるだろうか。
- エンドゲームの後、寿命を迎えて逝去している説。
超人血清によって氷漬けになっても生きていたスティーブだが、エンドゲームのエピローグで登場した彼は年老いた姿となっていた。盾をサムに託して思い残すことのなくなった彼が、天寿を全うしていることは十分にあり得る。しかし、アメリカの象徴であった彼の葬式ならば大々的に執り行われるだろうということは想像に難くない。あるいは、トニー・スタークの時のように、仲間内だけでひっそりと彼を見送ったのだろうか。
- スティーブは生きているが、ヒーローとしての活動からは距離を置いて引退している説。
フラッグ・スマッシャーズとの闘いや、アメリカ政府が勝手に擁立した二代目キャプテン・アメリカのジョン・ウォーカー（ワイアット・ラッセル）とのゴタゴタで手詰まりとなった際、もしスティーブがコンタクトを取れるところにいたらサムは助言を乞いに行くのが問題解決のベストな方法だったのではないだろうか。そうしなかったということは、スティーブはどこか遠くにいる可能性が高いと考えられる。
- スティーブは生きているが、別のタイムラインにいる説。
スティーブが恋人のペギー・カーター（ヘイリー・アトウェル）とともに過ごすため、1940年代に行った際、おそらくはこれまでのMCUの歴史とは異なる新しいタイムラインが生まれたはず。そうだとするならば、サムに盾を渡した後、彼はペギーが待つ別のタイムラインに戻った可能性もある。現状、この説がスティーブの居場所を多くの人々が知らず、そしてサムとバッキー・バーンズ（セバスチャン・スタン）がスティーブに助言を乞いに行かなかった理由として最もしっくりくるものではないだろうか。
メタ的な視点でみれば、ファルコン&ウィンターソルジャーでスティーブの所在についての話題が避けられたのは、同作のショーランナーを務めたマルコム・スペルマンが制作中である『キャプテン・アメリカ』の4作目を前に、制作陣がスティーブの今の状況を明かしたくなかったからとも考えられる。
MCUの映画はコロナ禍で新作の上映が先延ばしになってしまっているが、辛抱強く待っていればシリーズ第4弾で“スティーブ・ロジャースは帰ってくる”かもしれない。
